2011年4月7日木曜日

こんな人なら節税できる(後編)

 個人事業主もサラリーマンも読める「税金の話」。前回は「こんな人なら節税できる(前編)」と題して、住民税の基本的な仕組みと計算方法に加え、扶養控除による節税を考えてみた。後編となる今回は「医療控除」「住宅ローン減税」「子供手当」などについてチェックしてみよう。

 サラリーマンが確定申告するケースの代表は医療費控除だ。生計を
一とする親族のために支払った年間の医療費が10万円を越えた場合、確定申告すれば、超えた金額が控除の対象となる。ただし、生命保険の入院給付金や高額療養費で補填された分は差し引かれる。例えば家族の通常の医療費が年間合計8万円だったとしよう。誰かが2週間入院して16万円の医療費を払うと合計24万円となり、14万円が控除の対象となる。

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ころが、もし生命保険会社から入院給付金が5日目から日額1万円支給されると、10日間で10万円となり、控除の対象は14万円から10万円を引いた4万円となってしまう。課税所得が410万円なら8000円が還付され、住民税も4000円減ることになる。10万円の還付のためなら頑張れたが、これくらいになると忙しいサラリーマンの場合は「う?ん、微妙」と思うかもしれない
。個人事業主は確定申告のついでに領収書を提出するだけなのでそれほど負担はないが、普段から税金や税務署に無縁のサラリーマンは悩ましいところだろう。

 積極的に医療費を控除する方法もある。例えば視力回復のレーシック手術や歯科治療など保険外の医療を受ける場合だ。もし医療費が9万円かかった年に40万円のレーシック手術を受ければ39万円が
控除の対象となる。個人事業主なら儲かった年の年末に手術を受ければ所得税の税率が高いので節税効果は大きい。課税所得が410万円で39万円が控除されれば11万7000円が還付される。いつでもできる治療の場合、税金のことも考えてみてはいかがだろう。

●住宅ローン減税(控除)

 税制は毎年大なり小なりの変更がある。2009年(平成21年)で大
きいのは住宅ローン減税(住宅ローン控除)だろう。住宅ローンのノウハウだけで1冊の本になるほど奥が深いので概要にとどめるが、昨年と今年は過去最高の住宅ローン減税が実施され、“買い”の時期なのだ。

 一般住宅で言うと、昨年または今年に入居した場合で、控除期間10年、ローンの年末残高限度額5000万円、控除率1%、控除可能額50万円(年額)、
最大控除可能額500万円(10年間累計)となっている。加えて所得税から控除しきれない金額のうち、一定額を住民税から控除できるという内容だ。

 ちなみに、その1年前の2008年の場合は控除期間が10年と15年の選択があるが、10年の場合、ローンの年末残高限度額2000万円、控除率1?6年目1%、7?10年目0.5%、控除可能額20万円(年額)、最大控除可能額
160万円(10年間累計)だ。

 住宅ローン減税は課税所得の控除ではなく、税額がそのまま控除される。実際に例をあげて計算してみよう。

 最大控除額の500万円をゲットするには10年後のローン残高が5000万円となるので、購入段階では7000万円級のローンを組むことになる。7000万円のローンを組むには年収1500万円以上と、普通のサラリーマン
には縁遠い話になるので、ここでは4000万円のローンを35年返済、変動金利1.2%としてシミュレーションしてみた。年末残高が同じになるように2009年1月から返済を開始した場合と、2008年1月から返済を開始した場合の税制による差を比較している。

 以下の表は、左から年末のローン残高、2009年に入居した場合の各年の控除額、2008年に入居した場合の マビノギ rmt
控除額の計算値(控除率1?6年目1%、7?10年目0.5%)、2008年に入居した場合の実際の控除額(上限値を越えているため限度額)。元データは1円単位まで計算しているが、ここでは単位は万円とした。
 ※bizmakoto.jp/bizid/articles/1002/22/news043_2.html

 同じ4000万円のローンでも2009年に入居した人は347万円の減税となるが、2008年に入居した人は メイプル rmt
160万円しか減税されない。その差は187万円と、車が買えそうなほどの違いがある。入居が2008年の年末と2009年の年始のわずか数週間でも、10年間でこれだけの差になるわけだ。

 課税所得が410万円、所得税が39万2500円の人なら、ここからマイナス39万円して1年目の所得税は2500円となる。もし3年目に医療控除等で所得税が30万円になったとしても、所
得税が全額の30万円、超過した分は住民税から7万円が控除される仕組みだ。

 本来は2008年末で住宅ローン減税は廃止になるはずだったが、2008年の夏に5年間の延長と過去最大規模というニュースが流れたことを覚えている。筆者は2008年の夏に車を買った。営業マンがマンションを購入するというので「来年入居なら過去最大のローン減税が受けられる」
と話した記憶がある。2008年の11?12月に入居するなら、1?2カ月アパート代を払って1月に入居すれば、減税という大きな恩恵があったはずだ。個人事業主もサラリーマンも、税に関しては、知っていると得することは多々あると思われる。

 今回の住宅ローン減税はローン残高限度額が2011年以降1000万円ずつ引き下げられ、2013年には2000万円となる。これ
から家を買おうと思っている人は、詳細を調べて検討した方がいいだろう。

●青色申告ソフトを使おう

 個人事業主には、まだほかに節税できる控除がある。1つ目は小規模企業共済等掛金控除だ。個人事業主のための退職金みたいなもので、月に1000円?7万円を掛けることができ、掛金の全額が控除される。年間84万円まで掛けることができるので節
税効果は大きい。掛けた共済金は廃業、退職した時に一括?分割などの方法で受け取れる。年払いをしても、払った年の控除が認められるので、もうかったら年末にドンと払って将来に備えることもできる。増額はもちろん減額も可能なので、その年の売上を見て、年払いの金額を上下できるから、収入の不安定な個人事業主にはありがたい。

 2つ目は青色申
告特別控除だ。申告方法には白色申告と青色申告がある。申告が簡単な白色申告では控除額は0円だ。青色申告特別控除は10万円の控除と65万円の控除がある。比較すると、

 ※bizmakoto.jp/bizid/articles/1002/22/news043_3.html

 簡単にいうと細かな書類を作れれば控除額が増えるということだ。

 とはいえ複式簿記、貸借対照表と聞いてササ
ッと書ける人は少ないだろう。筆者も開業時に一応簿記の書籍を読んでみたが、「貸方?借方、右手?左手……無理」とあきらめた。そこで登場するのが青色申告ソフトだ。小遣い帳のように入出金を入力していけば、損益計算書と貸借対照表も最終的な確定申告書も計算して印刷してくれる。減価償却などのやや難しい計算も買った日付と金額、償却方法を入力すれば自動
的に処理してくれる。データに不整合があった場合も青色申告ソフトが指摘してくれる。

 白色申告は記帳義務がないといっても、経費等を算出するためには、1年間で1000枚を超える領収書を集計しなければいけない。ITmediaの読者であれば、電卓じゃなく表計算ソフトを使用するだろう。それならば青色申告ソフトに入力するだけで、65万円の控除が得られ
るわけだ。

 青色申告は開業から2カ月以内に青色申告承認申請書を出す必要がある。65万円の控除以外にも青色申告のメリットは多い。これから開業する人は、ぜひ開業届と一緒に申請書を出すことをお勧めしたい。

●子供手当、高校無償化はどうなる?

 課税所得、所得税、住民税などの仕組みがなんとなく理解できたとして、話題の子 christian louboutin
供手当、高校無償化を考えてみよう。現段階でも子供手当は1年目半額支給、2年目は全額支給のはずが財源が厳しいので半額支給……とハッキリしていない。2年目以降の財源は扶養控除、配偶者控除を廃止するとかしないとか不透明な状況だ。

 財源が厳しいことは変わらないので、おそらく来年以降も変更される可能性は高いと思われる。政権交代で劇的に変
わる可能性もある。税金のロジックを理解すれば、自分自身にどれだけ損得があるかが計算できるようになる。

 まず確認が必要なのは、自分自身の課税所得と控除の内訳だ。ここまで例にあげた課税所得410万円、控除の内訳に配偶者控除(所得税38万円、住民税33万円)、扶養控除(所得税38万円、住民税33万円)のケースで計算してみよう。

 
このケースでは、子供は16歳未満なので子供手当が1人分(全額31万2000円)支給される。もし配偶者控除と扶養控除が廃止されると、課税所得は

?所得税:4,100,000円+380,000円+380,000円=4,860,000円
?住民税:4,265,000円+330,000円+330,000円=4,925,000円

 これにより所得税と住民税は

?所得税:4,860,000円×0.2?427,500円=
544,500円(152,000円増)
?住民税:4,925,000円×0.1?2,500+4,000=494,000(66,000円増)

 増税分の合計は21万8000円なので、子供手当が31万2000円支給されても、実際には9万4000円のプラスとなる。

やがて子供が高校へ進学した場合はどうなるか。昨年までの税制だと扶養控除(特定扶養親族)が所得税で38万円から63万円(差額25万円)、
住民税で33万円から45万円(差額12万円)に増える。課税所得は、

?所得税:4,100,000円?250,000円=3,850,000円
?住民税:4,265,000円?120,000円=4,145,000円

これにより所得税と住民税は

?所得税:3,850,000円×0.2?427,500円=342,500円
?住民税:4,145,000円×0.1?2,500+4,000=416,000円

 と、控除が増えることで大幅に減
税されることになる。これが配偶者控除と扶養控除(特定扶養親族)が廃止されると先ほどと同じ額になるので、

?所得税:4,860,000円×0.2?427,500円=544,500円(202,000円増)
?住民税:4,925,000円×0.1?2,500+4,000=494,000(78,000円増)

 増税分の合計は28万円、公立高校の無償化で年に約12万円が補助されたとしても、マイナス16万円とな
ってしまう。

 元々扶養控除は扶養する親族がいるからもらえる控除で、その多くは子供がいる家庭だろう。子供のいる家庭から扶養控除を廃止して、子供手当や公立高校無償化の財源にしてもプラスマイナスの差額が出るだけだ。分かっていて詭弁なのか、理解していないのかは不明だが、ほかに財源を用意しなければ子供手当も公立高校無償化も、労力や
事務手続きの無駄が増えるだけになりそうだ。

 試算の結果は控除の廃止、存続や、自分の家族環境、課税所得の額によって変わってくる。まずは自分自身の課税所得と控除を理解して、自分で計算できるようになっていただきたい。

 次回は、「経費を増やす」「固定資産の減価償却」をテーマに、引き続き節税のことを考えてみよう。【奥川浩彦


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引用元:RMT

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